【Q】ビソプロロールとカルベジロールの併用は?

【質問】ビソプロロールとカルベジロールを併用することがありますか?その場合、治療目的(どんなことを期待している)は何でしょうか?宜しくお願い致します。

 

【回答】左室駆出率が低下した心不全の治療には「β1受容体選択性の高いビソプロロール」や「β1、β2およびα受容体遮断作用を併せ持つカルベジロール」が頻用されています。ビソプロロールとカルベジロールの併用に関する報告については現在なく、併用するケースは多くないと考えられます。

考えられるケースとしては、カルベジロールを20mg/日とmax量で投与しているが、安静時心拍数が安定しないケースなどです。

慢性心不全に対する使用においては、カルベジロールよりもビソプロロールのほうが、より心拍数を以下させることが報告されています(Eur J Heart Fail.Jun;13(6):670-80.2011 ) が、β1、β2、α受容体遮断作用(カルベジロール)に、β1遮断(ビソプロロール)のみを追加したい場合が考えられます。

現在では、安静時心拍数に改善については、2019年に発売されたコララン錠(イバブラジン)などを使用することができます。

コララン錠の適用は、「洞調律かつ投与開始時の安静時心拍数が 75回/分以上の慢性心不全。ただし、β遮断薬を含む慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」となっています。

また、カルベジロールを20mg/日と最大投与量したが、心室期外収縮が安定しないケースも考えられます。心室期外収縮の場合は、アミオダロンの追加も考えられます。

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