【Q】エディロールの適用が骨粗鬆症のみの理由は?

【質問】エディロールが他のビタミンD3製剤と異なり、骨粗鬆症のみの適用となっているのはなぜでしょうか

【A】ビタミンD3製剤にはアルファカルシドール(アルファロール)、カルシトリオール(ロカルトロール)、エルデカルシトール(エディロール)があります。

この中で、エルデカルシトールのみ「骨粗鬆症」の適用となっています。この理由は、エルデカルシトールは骨粗鬆症に対する効果の目的で開発された薬剤であり、骨粗鬆症に対する臨床試験しか行っていないためと考えられます。作用機序から考えると、エルデカルシトールにおいても、他のビタミンD3製剤と同様の効果があると考えられます。以下に詳細を記載します。

 

活性型ビタミン D3の作用は?
カルシウム代謝調節作用、骨代謝調節作用、副甲状腺ホルモン分泌抑制作用、細胞分化誘導作用など様々な作用があります。

 

ビタミンD3製剤の適用は?
1. エルデカルシトール
・骨粗鬆症

2. アルファカルシドール、カルシトリオール
・骨粗鬆症
・下記疾患におけるビタミンD代謝異常に伴う諸症状(低カルシウム血症、テタニー、骨痛、骨病変等)の改善
     慢性腎不全、副甲状腺機能低下症、ビタミンD抵抗性クル病・骨軟化症

 

エルデカルシトールと「その他の活性型ビタミンD」の違いは?
・エルデカルシトールは、アルファカルシドールの2β位にヒドロキシプロピルオキシ基を加えてできた成分です。
・エルデカルシトールは、活性型ビタミンD3の作用であるカルシウム代謝調節作用に加えて、より効果の高い骨代謝改善作用を目的として開発されました。エルデカルシトールは、既存の活性型ビタミンD3と比較して椎体骨折及び非椎体骨折(3部位:大腿骨近位部、上腕骨、前腕骨)発生頻度を低下させました
・アルファカルシドールとエルデカルシトールを比較した臨床試験において、エルデカルシトールは
外傷ではない新規椎体骨折発生頻度を有意に低下させました

(参考 :エディロールカプセル 添付文書, インタビューフォーム, 審査報告書 ロカルトロールカプセル添付文書, インタビューフォーム アルファロールカプセル 添付文書, インタビューフォーム)

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