内服薬服用後の嘔吐時における体内吸収量と再投与の必要性を判断するための情報

【質問】内服薬を服用後に嘔吐したケースで,嘔吐時点での体内への吸収量を検討したい(あるいは再投与の要否を検討したい)場合,どのような情報(薬物動態パラメータなど)を収集して検討すればよいのでしょうか?

【回答】

内服薬服用後に嘔吐した場合の再投与が必要であるかを検討するために必要な情報を下記に示します。これらの情報を総合的に評価し、嘔吐時点での体内への吸収量の推定や再投与の可否を適切に判断できることが必要です。患者背景や薬によって状況が異なるため、医師と相談しながら個別の対応を検討することが重要です。

服用から嘔吐までの経過時間
・15分以内の嘔吐:薬物の大部分が吸収されていない可能性が高く、再投与が考慮されます。
・15-60分の間の嘔吐:部分的な吸収が起こっている可能性があり、個別の評価が必要です。
・60分以上経過後の嘔吐:多くの薬物で十分な吸収が起こっている可能性が高く、再投与は通常不要です。

(参考 https://meridian.allenpress.com/jppt/article/27/5/457/483608/A-Survey-from-a-Tertiary-Care-Hospital-in-India-on

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3379826/)

薬物の吸収速度(Ka)
一般的に吸収速度定数(Ka)が高い薬物は短時間で多くが吸収される傾向があります。嘔吐の影響を受けにくい可能性があります。

最高血中濃度到達時間(Tmax)
一般的にTmaxが短い薬物は、嘔吐の影響を受けにくい可能性があります。

生物学的利用能
経口バイオアベイラビリティが高い薬物は、短時間でより多くが吸収される傾向があります。

薬物の溶解度と製剤特性
速崩錠や液剤は固形製剤よりも早く吸収が始まる傾向があり、嘔吐の影響を受けにくい可能性があります。

胃内容排出速度
食後服用の場合、胃内容排出速度が遅くなり、薬物の吸収も遅くなる可能性がある薬剤があります。

薬物の治療域
治療域が狭い薬物の場合、わずかな吸収量の変化でも臨床効果に大きな影響を与える可能性があるため、より慎重な評価が必要です。

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