【Q】後発品によって薬価が大きく異なる理由は?薬価の単位は添付文書で確認できるか?

【質問】チモロール点眼XEの薬価を調べていたところ、メーカーによってケタが違うほど差がありました。「包装あたり」「mLあたり」の表記単位がちがうだけなのか、純粋に薬価の差が大きいのか知りたいです。後発品同士で薬価が異なる理由はなんなのでしょうか?また、記載されている薬価がいくら(量)あたりなのかは添付文書などで確認できますか?

 

【A】「薬価当たりの単位数」は添付文書で確認することはできません。厚生労働省が公開している「薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について」などにおいて、確認することができます。

チモロールXE点眼液やチモロール点眼液は「mLあたり」で薬価が設定されています。

チモロール点眼液0.25%0.5%の後発品の薬価はそれぞれ55.7円、79円に統一されていますが、チモロールXE点眼液0.25%に関しては薬価に大きな差が生じています。(例 : 「杏林」34.3円/mL、「ニットー」261.70円/mL)

後発品は薬価基準収載年月が異なれば、薬価に差が生じる可能性があります。しかし、「チモロールXE点眼液0.25%「杏林」」と「チモロールXE点眼液0.25%「ニットー」」は薬価基準収載年月(2013年12月)が同じであるのに、薬価(2020年時点)に大きく差が生じています。

その理由は、薬価基準収載年月である2013年12月時点では同じ薬価でしたが、発売後の市場の流通価格(卸値)が両者において、大きな差があった(「杏林」のほうが安値で取引されていた)ため、一方の薬剤は薬価改定時に大きく下がったという経緯が考えられます。

 

 

2020年時点 薬価

0.25%製剤
・チモロールXE点眼液0.25%「杏林」 0.25%1mL  34.3円 2013年12月(薬価基準収載年月)
・チモロールXE点眼液0.25%「JG」0.25%1mL 137.80円 2016年6月(薬価基準収載年月)
・チモロールXE点眼液0.25%「TS」0.25%1mL 261.70 2013年12月(薬価基準収載年月)
・チモロールXE点眼液0.25%「ニットー」0.25%1mL 261.70円 2013年12月(薬価基準収載年月)

0.5%製剤
・チモロールXE点眼液0.5%「TS」0.5%1mL 265.80円 2013年12月(薬価基準収載年月)
・チモロールXE点眼液0.5%「ニットー」0.5%1mL 320.40円 2013年12月(薬価基準収載年月)
・チモロールXE点眼液0.5%「杏林」0.5%1mL 320.40円 2013年12月(薬価基準収載年月)
・チモロールXE点眼液0.5%「JG」0.5%1mL 320.40円 2016年6月(薬価基準収載年月)

 

・チモロールPF点眼液0.25%「日点」  0.25%1mL 55.7円
・チモロール点眼液0.25%「テイカ」  0.25%1mL 55.7円
・チモロール点眼液0.25%「ニッテン」 0.25%1mL 55.7円
・チモロール点眼液0.25%「ニットー」 0.25%1mL 55.7円
・チモロール点眼液0.25%「わかもと」 0.25%1mL 55.7円
・チモロール点眼液0.25%「日新」 0.25%1mL 55.7円
・チモロール点眼液0.25%「杏林」 0.25%1mL 55.7円
・チモロールPF点眼液0.5%「日点」  0.25%1mL 79円
・チモロール点眼液0.5%「テイカ」 0.5%1mL 79円
・チモロール点眼液0.5%「ニッテン」 0.5%1mL 79円
・チモロール点眼液0.5%「ニットー」0.5%1mL 79円
・チモロール点眼液0.5%「わかもと」0.5%1mL 79円
・チモロール点眼液0.5%「日新」0.5%1mL 79円
・チモロール点眼液0.5%「杏林」0.5%1mL 79円

 

 

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