サンフォードガイドに記載されていない抗菌薬(CTM, CMZ, FMOX, CZOP)の実臨床での最大用量は?

A. 『JAID/JSC感染症治療ガイドライン2019』に以下の記載がある。

〈呼吸器感染症の項目〉
・CTM 点滴静注 1 回 1~2g・1 日 2~3 回(添付文書最大 4g/日)
・CZOP 点滴静注 1 回 1g~2g・1 日 4 回(添付文書最大 4g/日) 〈性器感染症の項目〉
・FMOX 点滴静注 1 回 1~2g・1 日 3 回(添付文書最大 4g/日)
・CMZ 点滴静注 1 回 2g・1 日 3 回(添付文書最大 4g/日)

上記の投与量は添付文書の承認範囲を超えていることを前提とした上で、 CTM 2g q8h(6g/day) CMZ 2g q8h(6g/day) FMOX 2g q8h(6g/day) CZOP 2g q6h(8g/day) 以上が、ガイドライン上に記載されており、実臨床で投与され得る最大量と考えられる。

なお、『感染症レジデントマニュアル第2版』には以下の記載がある

・CTM 1 回 1~2g 6時間ごと
・CMZ 1 回 1~2g 6~8時間ごと それぞれ半減期が約1hであることから、薬物動態的にCTMとCMZについては2g q6hの投与量が選択されるとも考えられる。 一方で、上記投与量は添付文書の上限を超える承認外の用量であるため、患者状態の慎重なモニタリングは必須である。 (会員からの寄稿)

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