【質問】エンレストの用法について、高血圧では1日1回、
【回答】
・エンレスト錠は心不全と高血圧の治療に用いられる薬剤であり、適用によって異なる用法が設定されています。心不全に対しては1日2回、高血圧に対しては1日1回の投与です。。しかし、臨床現場では高血圧に対しても1日2回投与されることがありますが、これは厳密には適用外使用となります。
・この用法の違いには、いくつかの背景があると考えられます。心不全は最初に適用が通った適応症であり、血中濃度の安定性を考慮し、効果を最大限に発揮させるため1日2回に設定された可能性があります。一方、高血圧はその後に適用が通った適応症です。エンレストにはバルサルタンが含有されており、高血圧への効能が確実にあることに加え、患者のアドヒアランス向上を考慮して高血圧には1日1回投与に設定されたと推測されます。
・高血圧患者に対してエンレスト錠1日2回処方される理由としては、他の1日1回タイプの降圧薬(例:アダラート錠CR40)でも1日2回服用している患者がいることや、効果の安定化を図る目的が考えられます。また、高齢者の心不全リスクを考慮して(今後のことを考えて)1日2回投与を選択している可能性もあります。
ただし、高血圧適応での1日2回使用が認められない主な理由は、臨床試験の用法設定、保険審査の観点にあるかもしれません。