【質問】ザイティガを減量した際のPSLの用量設定について参考になるも
【回答】
ザイティガ錠と併用するプレドニン用量
ザイティガ錠
・1日1回1,000mg(空腹時に経口投与)が一般的な用量です。
プレドニゾロン
・去勢抵抗性前立腺癌:10mg/日(1回5mgを1日2回)
・内分泌療法未治療のハイリスクの予後因子を有する前立腺癌:5mg/日(1日1回)
ザイティガ錠の減量時のプレドニゾロン用量設定
プレドニゾロンは副作用予防のためにザイティガ錠と併用します。
ザイティガを減量する場合でも、一般的にプレドニゾロンは臨床試験で使用された用量を使用します。プレドニゾロンの減量すると副作用軽減の面で有効かもしれませんが、設定された用量が高用量でないことや、プレドニゾロン開始に伴う他の処方(例 : PPIなど)の数が減少しないことから、通常はプレドニゾロン10mg/日(去勢抵抗性前立腺癌)またはプレドニゾロン5mg/日(内分泌療法未治療のハイリスクの予後因子を有する前立腺癌)と一定量を維持するようです。ただし、ザイティガの減量に伴うプレドニゾロンの用量調整に関する具体的な指針はどこにも記載されていません。患者の状況に応じてプレドニゾロンの増減が必要となる場合には、個別の対応を検討するケースもあるかもしれません。
ザイティガ錠250mg 1錠での開始
通常用量は1日1回1,000mgとされています。しかし実臨床では、特に高齢者に対しては、副作用管理の観点から減量して治療を開始するケースが少なくありません。主な理由として、疲労感や低カリウム血症などの副作用リスクが挙げられます。この対応は、アーリーダ錠などの他の前立腺がん治療薬でも同様であり、患者の年齢や全身状態に応じた個別化治療の一環と考えられます。減量開始は、副作用の軽減と治療の継続性を確保するための戦略として、臨床現場で広く採用されているようです。
ザイティガ錠とステロイド(プレドニゾロン)併用が必要な理由
ザイティガ錠(アビラテロン酢酸エステル)は、CYP17を阻害することでテストステロン産生を抑制しますが、同時に副腎皮質ホルモンの産生も抑制してしまいます。これにより、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)の上昇が起こり、ミネラルコルチコイド過剰症状(高血圧、低カリウム血症、体液貯留など)が生じる可能性があります。プレドニゾロンを併用することで、ACTHの分泌を抑制し、これらの副作用を軽減することができます。また、プレドニゾロンには抗腫瘍効果も期待できるため、併用によって治療効果を高める可能性もあります。
まとめると
実臨床において、ザイティガ錠は患者の状態や副作用の管理を考慮して、減量して使用することがあります。一方で、併用するプレドニゾロンは通常、臨床試験で確立された標準用量を使用する傾向にあります。ただし、個々の患者の状態、副作用の程度、あるいは全身状態によっては、プレドニゾロンの用量調整も検討される場合があります。
(参考 : ザイティガ錠 適正使用ガイド)