【Q】セレコキシブ(セレコックス®)と他の薬剤との消化管有害事象の比較について

【A】セレコキシブ(セレコックス)は他のNSAIDsと比べて胃粘膜障害の発現リスクが低いと報告されています。以下の報告があり、具体的には【セレコキシブ単剤】は【他のNSAIDs(COX-2選択的阻害薬以外の薬剤)+PPI】と同程度もしくはそれ以下に発現リスクが低下すると考えられます。

COX-2阻害薬とPPIの併用はNSAIDsによる上部消化管障害のリスクを低下する。セレコキシブの使用は、他のNSAIDとPPIの併用よりもリスクを低下させる。(Gastroenterology. 2008 Apr;134(4):937-44)

低用量アスピリンを服用している変形性関節症患者において、胃十二指腸潰瘍は【セレコキシブ単剤】で10%、【ナプロキセンとランソプラゾール】の併用で9%の患者に見られた。(Clin Gastroenterol Hepatol 2007; 5:1167.)

セレコキシブを服用している2238人中114人(6%)の患者、ジクロフェナクとオメプラゾールを服用している2246人中167人(8%)の患者が胃腸の有害事象のために早期に中止した。(Lancet. 2010 Jul 17;376(9736):173-9)

【セレコキシブ+エソメプラゾール】VS【ナプロキセン+エソメプラゾール】VS【イブプロフェン+エソメプラゾール】で比較したところ、【セレコキシブ+エソメプラゾール】 の胃腸障害イベントが有意に少なかった。内訳は【セレコキシブ+エソメプラゾール】8030例中54例、【ナプロキセン+エソメプラゾール】7933例中115例、【イブプロフェン+エソメプラゾール】7990例中115例に胃腸障害イベントが発生した。(N Engl J Med 2016; 375:2519)

 

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