【Q】イナビルとラピアクタ点滴静注液との併用は可能か?

【A】イナビルとラピアクタ点滴静注(成分名:ペラミビル)は剤型が異なりますが両剤ともノイラミニダーゼ阻害です。イナビルとラピアクタの併用群と単剤群で比較した報告はこれまでにありません。共にノイラミニダーゼであること考慮すると併用することによる効果は期待しにくいとは考えられます。。

 

• 重症患者にタミフルとラピアクタを併用した症例はある。『症例 4歳 男児 インフルエンザA/H1N1  急性脳症 JCS20』(小児内科 Vol.48 No.6,2011-6)

•『タミフル』単独の方が『タミフル+リレンザ』併用より有効性が高い。また、『リレンザ』は『タミフルとリレンザ』の併用と有効性は変わらないという報告がある。(PLoS Med 7, 2010)

• タミフル単剤よりも『タミフル+アマンタジン』や『タミフル+リバビリン』併用群の方が効果が高い可能性があると報告がある。(Lancet Infect Dis. 2017 Dec;17(12):1255-1265)

これらから作用機序が同じ抗インフルエンザ薬であれば、効果は減弱する可能性はあるが、作用機序が異なる抗インフルエンザ薬であれば、抗ウイルス効果は高くなる可能性があると考えられる。

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】抗インフルエンザ薬と新型コロナ治療薬は併用可能か?

【A】抗インフルエンザ薬と新型コロナ治療薬が併用禁忌でなければ、併用は可能と考えられます。そのため、現在発売されている下記の抗インフルエンザ薬や経口新型コロナ治療薬の併用は可能です。 抗インフルエン...

【Q】『イナビル』吸入剤は何歳から吸入可能か?

【A】添付文書上では『イナビル』の吸入に年齢制限はなく、吸入可能と考えられる年齢から使用できます。『イナビル』の臨床試験時での最年少使用患者は3歳でした。しかし4〜6歳の患者は製薬メーカーから提供され...

【Q】イナビルは予防投薬できるのか?用量は?

【A】イナビルの予防投与は可能である。 成人、10歳以上‥2キットを単回吸入 or 1キットを1日1回、2日間吸入 10歳未満‥1キットを単回吸入   予防に用いる場合 成人:ラニナミビルオクタン酸エステルとして40m...

新着記事

ツイミーグ (イメグリミン)はヨード造影剤と併用可能か?

【質問】メトホルミンはヨード造影剤と併用注意ですが、構造が似ているツイミーグ (イメグリミン)はヨード造影剤と併用しても問題はないのでしょうか? 【A】ツイミーグ (イメグリミン)は、メトホルミンと構造が...

甲状腺機能低下症の患者に対して沈降炭酸カルシウムが投与禁忌である理由は?

【質問】沈降炭酸カルシウム (商品名 カルタン)は、何故、甲状腺機能低下の患者に投与禁忌なのですか 【A】甲状腺機能低下症の患者は、カルシトニンの分泌が抑制されるため、血中のカルシウム濃度が高くなってし...

アバロパラチド(オスタバロ皮下注)からテリパラチド(フォルテオ皮下注)への切り替えは可能か?

【質問】アバロパラチドを開始しましたが、新薬の処方日数制限があり、14日毎の外来通院が難しく、2か月治療後継続困難となりました。テリパラチドへの切り替えは可能でしょうか?また、切り替えを検討する際、テ...

新着記事をもっと見る