【A】牛乳アレルギーは「カゼイン、乳清タンパク(α、β-ラクトグロブリンなど)」をアレルゲンとするため、多くの牛乳アレルギー児に対して乳糖の使用は可能と考えられます。
ただし、牛乳アレルギーと乳糖不耐症は別で考える必要があります。
即時型牛乳アレルギー児を対象として行った食品用乳糖の食物経口負荷試験で重篤な症状は認められず、嘔吐や局所の蕁麻疹のみ(42例中2例)であったと報告がある。牛乳アレルギー児に対しては乳糖の摂取が可能であることを確認することが望ましいと結論づけられている。
(日本小児アレルギー学会誌. 29: 649-654, 2015)乳糖(グルコースおよびガラクトース)、ラクトースは吸入剤、カプセル剤、錠剤、散剤、静脈内製剤に添加物として使用され、牛乳アレルギー患者でも滅多に症状が誘発されない。
(Allergology International. 66: 248-264, 2017)
→これらの報告から多くの牛乳アレルギー児に対して乳糖の使用は可能と考えられます。
※乳糖不耐症と牛乳アレルギーは異なる
乳糖不耐症 : 乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下・欠損しているため、乳糖を消化・吸収することができず消化器症状を起こすことがある。
乳糖不耐症で乳糖禁の場合はデンプンなどで賦形する必要があります。
乳糖不耐症は2〜3歳より以前に先天的ラクタマーゼ欠損による乳糖不耐が生じることは一般的ではないとされている。
(Lactose Intolerance in Infants, Children, and Adolescents, American Academy of Pediatrics, 2006, Vol,11, 862(2):240)
→乳糖不耐症は、2〜3歳以前で起こることは珍しく、他の病因を探す必要がありそうです。