【Q】ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)の予防で使用できる吸入薬はあるか?

【A】ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)の予防目的で使用できる吸入薬は上市されていません。
ただし、ニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)の治療目的であれば、ベナンバックス注を吸入として使用することは可能です。
ベナンバックス注をニューモシスチス肺炎(カリニ肺炎)の予防で使用した場合には適応外使用となります。

用法・用量に関して
通常、ペンタミジンイセチオン酸塩として300~600mgを日局注射用水(1バイアルにつき3~5mL)に溶解し、吸入装置を用いて1日1回30分かけて投与する。
吸入装置は5μm以下のエアロゾル粒子を生成する能力を有する超音波ネブライザー又はコンプレッサー式ネブライザー等を使用すること。
なお、吸入装置により霧化能力、薬液槽容量が異なるので、使用する機種に応じて薬液を日局注射用水で適切な量に希釈して用いること。
(参考資料:ベナンバックス注用300mg添付文書)

有効性および安全性に関して
有効率:静脈投与と同程度
安全性:静脈投与と比較して全身性の副作用が軽減できる可能性がある。
(参考文献:田辺清勝ほか、ペンタミジン吸入投与によるニューモシスチスカリニ肺炎の治療成績)

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