【質問】バクタ配合錠の用法について、「ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制」の場合、連日又は週3日経口投与とあります。連日又は週3日で効果は異なるのでしょうか。週3日の場合は、月火水のように連日あるいは月水金のように飛び石のような服用方法になると思いますがこちらも効果に差はあるのでしょうか。
【A】バクタ配合錠 (スルファメトキサゾール・トリメトプリム : ST合剤) の投与方法は、連日投与と比較して、週3回投与のほうが有害事象が少ないと報告されています。
また、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染患者に対するニューモシスチス肺炎の発症抑制、死亡、細菌性肺炎は、バクタ配合錠の連日投与のほうが効果が高いと報告されていますが、有害事象は週3日投与のほうが少ないと報告もあります。
「月火水のように連日あるいは月水金のように飛び石のような服用方法」について、調査した報告は見当たりませんでした。
以上より、バクタ配合錠は「ニューモシスチス肺炎の治療及び発症抑制」に対しては、連日投与の方が効果が高い可能性がありますが、連日投与により有害事象が出る場合は週3日投与が適切な選択肢と考えられます。
メタアナリシスにおいて、スルファメトキサゾール・トリメトプリムを連日投与する代わりに、週3回投与することで、スルファメトキサゾール・トリメトプリムの副作用による治療中止のリスクが43%減少した。
(Arch Intern Med 1996 Vol. 156 Issue 2 Pages 177-88)HIV患者(CD4細胞数<200cells/microL)の2,625人を対象としたST合剤の連日投与と週3回投与を比較したランダム化試験では、intention-to-treat解析によるニューモシスチス肺炎の年間発症率は両群で同程度であったが、ニューモシスチス肺炎、死亡、細菌性肺炎については、ST合剤の連日投与が有効であった。ただし、有害事象による治療中止は連日投与群でより多かった。(Clin Infect Dis 1999 Vol. 29 Issue 4 Pages 775-83)