【質問】ソフトコンタクトにベンザルコニウムがダメージを与えるというのは耳にしますが、カラコンだけ区別されているのにはどのような理由があるのですか? また、カラコンに注意が必要な物質、メカニズムがあれば教えてください。(変形だけでなく色素への影響など)
【回答】市販の目薬には以下の通り、記載されています。
サンテ ボーティエ コンタクト
「カラーコンタクトレンズをのぞくすべてのコンタクトレンズ装着中に使えます。」 (参天製薬)スマイルホワイティエ コンタクト
「カラーコンタクトレンズをのぞくすべてのコンタクトレンズ装用中に使用できます。」(ライオン株式会社)
これらはコンタクトレンズ装着中でも使用可能ですが、「カラーコンタクトをのぞく」と記載されています。この理由は明確にされておりません。
2008年以前は「カラーコンタクトレンズ」は特別な規制で制限されておらず、ファッション商品として流通していたため、角膜症などを起こした症例が多数報告されていました。しかし、2009年から「視力矯正用のコンタクトレンズ」と同様に、薬事法の高度管理医療機器としての規制対象となりました。
カラーコンタクトレンズによる重篤と考えられる眼障害(角膜潰瘍、角膜浸潤)の割合は、通常のコンタクトレンズよりも高い
原因
・カラーコンタクトレンズは透明なコンタクトレンズに比べ酸素透過性が低い
・着色部位により角膜や結膜を擦る可能性がある
・レンズ自体の安全性の問題
・正しいケアが行われていない
(国民生活センター HP)
→カラーコンタクトレンズは、酸素透過性が低く、着色部位により角膜や結膜に刺激があることなどから、通常のコンタクトレンズに比べて眼障害が多くなる可能性があると考えられます。また、インターネットなどで、日本で承認を得ていない粗悪なカラーコンタクトレンズを販売しているケースも報告されています。
これらの理由から、カラーコンタクトレンズは他のコンタクトレンズと区別されていると考えられます。
また、ソフトサンティアは「すべてのコンタクトレンズ(ソフト・O2・ハード・ディスポーサブル)を装着したまま点眼することができると添付文書に記載されていますが、以下の通り、頻回点眼後にカラーコンタクトレンズの形状が変化したり、角膜への影響があったと学会において報告されています。
PVA (ポリビニルアルコール)素材のカラーコンタクトレンズ装用下でのソフトサンティア頻回点眼は、レンズ形状に変化が認められるだけでなく角膜への影響も認められた。
(第56回 日本視能矯正学会 第45巻 2016)
カラーコンタクトレンズに注意が必要な物質は、通常のソフトコンタクトレンズと同じと考えられます。