【Q】ダイアート錠の後発品は遮光保存であるが、先発品は遮光保存でない理由は?

【質問】ダイアート (AGの「DSEP」も含む) は、添付文書上に【遮光保存】の記載がなく、バラ錠も流通しているのに対して、ジェネリックのアゾセミド「JG」は【遮光保存】の記載があるのは何故でしょうか。

【A】2011年9月にダイアート錠のPTPシートは遮光色から透明色に変更され、さらに「遮光保存」から「室温保存」に変更されました。添加物を改良することにより、光に対する安定性が向上したことから変更となりました。

ダイアート錠30mg/60mgは、光に安定であるため遮光保存する必要がありません。そのため、一包化後も遮光の必要はありません。 (三和化学研究所の資料より)

特許の観点から、添加物の改良に関する内容は、添付文書には記載されておりません。

特許プラットホーム内の「アゾセミドを有効成分とするコーティング製剤」によるとコーティングに用いる添加物をアナターゼ型二酸化チタンではなく、ルチル型二酸化チタンにすることにより光に対する安定性が向上したと記載されています。

ダイアート錠の添付文書によると、添加物として「酸化チタン」が含まれていることがわかります。酸化チタンは別名 二酸化チタンとも呼ばれています。また、ダイアート錠は光の変色に強い三二酸化鉄を用いられていることも、光に対する安定性向上の要因となったと考えられます。後発品のアゾセミド「JG」は三二酸化鉄は含まれていません。

後発品にはアゾセミド「JG」と「DSEP」に2種類しかありません。「DSEP」はAGのため、ダイアート錠と添加物は同じであり、光にも安定しています。アゾセミド錠「JG」は貯法 遮光保存となりバラ包装は発売されておらず、PTPのみです。

アゾセミド「JG」
苛酷試験
苛酷試験の結果,光により分解物の増加が認められること及びアゾセミドの貯法が遮光保存であることから,貯蔵方法に「遮光保存」の条件を付した。

無包装状態での安定性試験
30mg錠 光(60 万lux・hr,シャーレにラップをし保存) 12.5 日変化あり(規格内)(○)
60mg錠 光(120 万lux・hr,気密容器) 50 日変化あり(規格内)(○)
(アゾセミド「JG」30mg, 60mg インタビューフォーム)

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