【Q】利尿剤の疾患別の使い分けは?

【A】

  • 浮腫→ループ利尿薬が最も適している。効果が強すぎるときはチアジド系利尿薬を使用。効果が不十分な場合はチアジド系やK保持性利尿薬と併用する。
  • 高血圧→チアジド系利用薬
    Na再吸収抑制による循環血漿量減少作用に加え、末梢血管拡張作用をもつため、チアジド系が第一選択。ループ利尿薬も使用されることがある。
  • 肝硬変など高アルドステロン状態による浮腫→抗アルドステロン薬。ループ利尿薬に抵抗性があるため抗アルドステロン薬が使用される。

 

ループ利尿藥
フロセミド(ラシックス)
トラセミド(ルプラック)
アゾセミド (ダイアート)
特徴
・ヘンレループ上行脚のNa-K-2Cl共輸送体を阻害
・強力な利尿作用をもつが抵抗性を生じやすい
・尿中へのCa排泄を増加させるため、高Ca血症の改善に有用
・主な副作用 低K血症 代謝性アルカローシス 低Ca血症 低Cl血症 高尿酸血症
トラセミド(ルプラック)はアルドステロン受容体拮抗作用があり、他のループ利尿薬に比べて低K血症を起こしにくい
チアジド系利尿薬
ヒドロクロロチアジド
トリクロルメチアジド(フルイトラン)
インタパミド(ナトリックス)
特徴
・遠位尿細管のNa-Cl共輸送体を阻害
・主な副作用 低K血症 代謝性アルカローシス 低Ca血症 高尿酸血症
K保持性利尿薬
スピロノラクトン(アルダクトン)
特徴
・集合管のNa/K ATPaseの発現、活性を低下させる
・利尿作用は弱い
・他の利尿藥で生じた低K血症の補正に適する。
・主な副作用 高K血症 女性化乳房

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】「インヴェガ」と「リスパダール」の違いは?

【A】「インヴェガ」の成分であるパリペリドンはリスペリドンの主要代謝物です。リスペリドンを服用すると体内で代謝され、パリペリドンに変化します。そのため、「インヴェガ」と「リスパダール」は共にセロトニ...

【Q】利尿剤の疾患別の使い分けは?

【A】 浮腫→ループ利尿薬が最も適している。効果が強すぎるときはチアジド系利尿薬を使用。効果が不十分な場合はチアジド系やK保持性利尿薬と併用する。 高血圧→チアジド系利用薬 Na再吸収抑制による循環血漿量減...

【Q】ループ利尿薬の換算・使い分けは?

【コメント】フロセミド (ラシックス)は持続時間は短いが高血圧などの適応症が多く、急性期に使いやすい。アゾセミド (ダイアート) は持続時間が長く、うっ血性心不全群に対してフロセミドよりも優れているとの...

新着記事

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

CLAPでのゲンタマイシン投与、腎機能低下時は全身投与と同じように減量する?

【質問】骨軟部組織感染症に対する局所高濃度抗菌薬灌流療法においてゲンタマイシンを使用する際、腎機能低下がある場合の用量設定はどのように考えればよろしいのでしょうか。全身投与と同じ考え方となりますか...

新着記事をもっと見る