【Q】ステロイドの離脱症状が生じる用量と内服期間は?

【質問】ステロイドを含むセレスタミンがいきなり毎朝1錠服用×30日分で処方されてきました。患者さんも「シーズンだけ」と言っていましたが、長期連用の長期とはどの程度の期間を指すのでしょうか?おそらく1~2ヶ月は続くと思われますが、一般的に離脱症状が出る可能性が高くなるのは「何錠」「何週間」くらいから注意すべきでしょうか?

【A】ステロイドの離脱症状の発現は「用量」と「投与期間」に依存します。
以下の報告から考察すると、セレスタミン配合錠は 2錠/日までであれば、離脱症状が発現する可能性が低いと考えられますが、それ以上の用量であれば、離脱症状が発現する可能性があります。また、使用期間が3週間以上の場合に離脱症状が発現する可能性があると報告されています。

 

ステロイドにより離脱症状が生じてしまうのは「視床下部-下垂体ー副腎系の抑制のネガティブフィードバック」が原因と考えられます。ステロイドを使用している間は「視床下部-下垂体ー副腎系の抑制のネガティブフィードバック」により、副腎皮質機能が低下している状態となります。つまり、副腎皮質機能は内服ステロイドに依存している状態ともいえます。副腎皮質機能は、内服ステロイド中止後から、通常に戻るまでに一定の期間がかかってしまいます。
副腎皮質機能が通常に戻るまでの期間、体内での糖質コルチコイドが減り、離脱症状が発生すると考えられます。

つまり、ステロイドの内服により視床下部-下垂体ー副腎系を抑制させるかどうかで離脱症状が生じるかが決定されます。

生理的な補充量の補充量の2倍を超えると副作用が出現する。プレドニゾロン換算5mg/日の内服では、視床下部-下垂体ー副腎系の抑制は認められていない。5から15mg/日に内服では様々であり、プレドニゾロン換算15mg/日以上であれば、抑制が認められた。また、内服が2から3週間以内の場合には、視床下部-下垂体ー副腎系の抑制はまれである。
(小児内科 41 (5) 730-735. 2009)

→プレドニゾロン換算で5mg/日以下の使用または、2から3週間以内の服薬期間であれば、離脱症状は生じにくいと考えられます。

 

セレスタミン配合錠
通常、成人には1回1〜2錠を1日1〜4回経口投与する。

本剤は副腎皮質ホルモンをプレドニゾロン換算で、錠剤として1錠中2.5mg

・セレスタミン配合錠 1錠/日‥プレドニゾロン換算2.5mg
・セレスタミン配合錠 6錠/日‥プレドニゾロン換算15mg
・セレスタミン配合錠 最大用量8錠/日‥ プレドニゾロン換算20mg

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