【Q】脳梗塞にあえてシロスタゾールを選択する理由は?

【質問】脳梗塞の再発予防には基本的にバイアスピリンとクロピドグレルの2剤併用(のちに単剤療法)であることが多いですが、シロスタゾールが選択されることも少ないながら見られます。 シロスタゾールは頭痛やめまい、動悸等の副作用が比較的多く、心不全に禁忌であり、冠動脈疾患には慎重投与であることから、使いにくい薬剤である印象があります。 クロピドグレルは遺伝的多型が多く、効果不十分となる例も少なくないことから、このような場合にシロスタゾールが選択される場合がありますが、それ以外にあえてシロスタゾールが選択される理由にどういうものが挙げられるでしょうか。

 

会員からの回答

【A】 シロスタゾールの特徴としては、1. 半減期が短い、2. 出血性合併症のリスクが小さい、3. 頭痛・動悸等の副作用が高頻度 の主な3点あります。 3のデメリットから、脳梗塞等の抗血小板療法としてはアスピリン+クロピドグレルのDAPTが大多数です。 しかし、1,2のメリットとされる特徴から、出血リスクが高い患者に対してはあえてシロスタゾールを使用する理由があると思われます。

Cilostazol Stroke Prevention Study(CSPS)によると、 CSPS:プラセボとの比較 ・脳卒中再発予防効果が示された。 ・有意な出血性合併症は見られず CSPS2:アスピリンとの比較 ・虚血性脳血管イベント発生率で非劣勢 ・出血イベント発生率についてシロスタゾール群で有意な減少以上のことから、シロスタゾールはアスピリンと同等の効果を有しながら、出血イベントが少なく安全性とのイメージがあります。

また、類似のケースとして、内視鏡術前休薬について、高出血リスクの場合、クロピドグレルを内服している患者に関してはアスピリン置換あるいはシロスタゾール置換をするとの指針にされている医療機関も多いと思います。

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