【質問】エンレスト錠は粉砕できますか?
【A】下記のデータにより粉砕後も4週間は安定しているため、粉砕は可能と考えられます。また、インタビューフォームには、エンレスト錠を粉砕して経口懸濁液とした後の安定性について明記されています。具体的には、15~25°Cの保存条件下で7日間の安定性が確認されています。
インタビューフォームに「個別に照会すること(照会先:表紙の「問い合わせ窓口」の項参照)」と記載があったため、問い合わせを行いました。以下に安定性データがあります。
エンレスト錠200mg
保存条件:25°C、湿度60%、ガラスバイアル開放
期間:3ヶ月
外観、類縁物質、含量:変化なし
水分量 開始時:5.0% → 1ヶ月後:7.8% → 2ヶ月後:8.0% → 3ヶ月後:8.7%エンレスト錠100mg
期間:4週間
外観、類縁物質、含量:変化なし
※粉砕の可否については適応外の使用であるため各施設の医療担当者の裁量と判断になります。
参考(小児慢性心不全)懸濁液を調製する場合の手順として下記の通り、インタビューフォームに記載されています。4mg/mLの経口懸濁液100mLを調製する場合の手順です。錠剤や粒状錠小児用で投与できない場合は、懸濁液に調製して交付してください。経口懸濁液は振り混ぜてから必要な量を経口投与させてください。投与にはシリンジ等正確に計量が可能な器具を使用してください。懸濁液の容器は子供の手の届かないところに保管してください。保存期間は15~25°Cで7日間です。冷蔵保存しないでください。調製に使用するもの・エンレスト100mg錠 4錠・単シロップ 100mL・乳棒と乳鉢(100mLの懸濁液を撹拌できる容量のもの)・100mLボトル(ポリプロピレン製)・目盛付きメスシリンダー(100mL以上)STEP1 エンレスト錠100mg、4錠を乳鉢に取り、乳棒を用いて細かい粉状になるまで粉砕します。STEP2 メスシリンダーを用い、単シロップの必要量100mLの1/3量を加えて10分間混和します。STEP3 単シロップの必要量100mLの2/3量を加えて10分間混和し、懸濁液(4mg/mL)とします。STEP4 清潔なポリプロピレン製ボトル(PP)に調製した懸濁液を移します。ボトルの口又は表面に液が残っていないことを確認し、キャップをしてください。最後にボトルをよく振り混ぜてください。