ゲンタマイシン注の投与におけるトラフ値・ピーク値は?

【質問】ゲンタマイシン注(GM)についてご教示ください。 中等度腎機能低下で150mg1日1回の投与方法で開始したところ、トラフ値1.8、ピーク値10前後(だったと思います)の結果を受けて60mg1日1回へ減量しました、トラフ値2.0、ピーク値5前後となりました。 そこで疑問生じました。 ・減量してピーク値は低下しましたトラフ値らない原因かりません。開始時中等度腎機能低下はありました使用中のScrは改善みられて腎機能は回復傾向にありました。また併用薬に排泄に影響するような薬剤は特に使用していませんでした。 ・GMの投与量の調整はどのように行なっていますか?今回は腎機能に応じて初回用量を設定しその後トラフ・ピークを測定してその結果を参考に医師経験的に減量しました、こちらから結果を用いた提案できませんでした。今後の参考に考え方をご教示頂けると幸いです。 よろしくお願いいたします。

【回答】

AI-PHARMAから回答がありました。
https://aifaq.aipharma.jp/user/sign_in#/searchBulletinBoard?id=1538&timestamp=1730932740055

回答① 患者背景、採血タイミング等が全く分かりませんが、体液量(In-Outバランス)で分布容積が容易に変わり、ピーク値の上がり方は変わります。トラフが下がらない理由は、明らかなことは患者を診ていないので何とも言えないですが、クレアチニンが改善していても、尿細管障害が発生している状況であれば、クリアランスが低下することは十分に考えられます。コントロールが困難な状況であれば他剤への変更等提案されたらどうでしょうか?

回答② ピークは投与量、トラフは投与間隔と覚えております。排泄が追い付いていないと考えれば、投与間隔を延ばせば下がってゆくと思います。

回答③ 先の回答にありますように、トラフのみの調整であればdoseは変えずに投与間隔を48hごと等にして落ち着くことが多いです。IEやclapでGMにこだわるのであれば、1日程度drug フリーにして仕切り直すのもひとつかと思います。ご参考までに。


回答から、体液量(In-Outバランス)により分布容積が変化することでピーク値が影響を受けること、また、クレアチニンの改善が見られていても尿細管障害が存在する可能性があり、それによってクリアランスが低下する可能性があるとのことです。

投与設計の基本的な考え方として、②の先生が示されているように、ピーク値は投与量で、トラフ値は投与間隔で調整することが基本となります。これに基づくと、本症例ではトラフ値の改善を目指すために投与量を減らすのではなく、投与間隔を調整する方が適切だったと考えられます。

以上をまとめると②③の先生が指摘されているように、トラフ値のコントロールには投与間隔を48時間ごとなどに延長することが有効と考えられます。さらに③の先生からは、1日程度drugフリーにしてから再開するという具体的な方法も提案されています。

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