【Q】ビプレッソ徐放錠とセロクエル (クエチアピン) との違いは?

【A】ビプレッソ徐放錠 はクエチアピンの徐放製剤であり、同成分であるセロクエル錠 (クエチアピン)と適応や用法が異なっている。
セロクエル錠 (クエチアピン) の適応は「統合失調症」であり、ビプレッソ徐放錠は「双極性障害におけるうつ症状の改善」である。またビプレッソ徐放錠は就寝前かつ空腹時投与となっている。開始用量が異なる点も注意すべき点である。以下にまとめた。
 
〔セロクエル錠  (クエチアピン錠) との違い〕
【適応】

  • セロクエル錠 → 統合失調症
  • ビプレッソ徐放錠 → 双極性障害におけるうつ症状の改善

【規格】

  • セロクエル錠 → 25mg、100mg、200mg
  • ビプレッソ徐放錠 → 50mg、150mg

 
【用法】

  • セロクエル錠 → 1回25mg、1日2又は3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。1日投与量は150~600mgとし、2又は3回に分けて経口投与する。最大用量は750mg。
  • ビプレッソ徐放錠 → 1日1回50mgより投与を開始し、2日以上の間隔をあけて1回150mgへ増量する。その後、さらに2日以上の間隔をあけて、推奨用量である1回300mgに増量する。1日1回就寝前投与で、食後2時間以上あける必要がある。

 

ビプレッソ徐放錠50mg, 150mg (双極性障害のうつ症状治療剤)
成分 : クエチアピンフマル酸塩
適応 : 双極性障害におけるうつ症状の改善
【ビプレッソ徐放錠の用法・用量】
通常、成人にはクエチアピンとして1回50mgより投与を開始し、2日以上の間隔をあけて1回150mgへ増量する。その後、さらに2日以上の間隔をあけて、推奨用量である1回300mgに増量する。なお、いずれも1日1回就寝前とし、食後2時間以上あけて経口投与すること。
ビプレッソ徐放錠 添付文書 第1版
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_11790A0G1025_1_02.pdf
【セロクエル (クエチアピン) の用法・用量】
クエチアピンとして1回25mg、1日2又は3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。1日投与量は150~600mgとし、2又は3回に分けて経口投与する。なお、投与量は年齢・症状により適宜増減する。但し、1日量として750mgを超えない。
セロクエル錠 添付文書 第26版
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/800126_1179042C1023_2_17.pdf

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