【A】こむら返り(腓腹筋痙攣)とは、激しい痛みを伴い突然に生じる不随意な筋収縮をさす。
運動中に短時間の収縮が筋に加わった時や安静時(就寝中)に急に筋に負荷が加わった時に生じることが多い。
原因としては、 血液中の水分や塩分のバランスの乱れ、筋肉疲労、足の静脈のうっ血などとされているが明らかにされていない。
代表的な治療薬としては、急激におこる筋肉のけいれんを伴う疼痛の効能効果を有する芍薬甘草湯があり、主成分である芍薬および甘草の筋弛緩作用によるものである。
その他、経口のダントロレンナトリウム水和物も全身こむら返り病の効能効果を有する。
(参考 : 今日の治療指針2019年版、各種添付文書)
芍薬甘草湯とダントロレンナトリウム水和物以外には、以下のように症例発表ではあるが、レボカルニチン (エルカルチンFF錠)や疎経活血湯、四物湯などでこむら返りが軽減したという報告がある。
こむら返りを併発している患者20例を対象にレボカルニチンを600mg/日を4週間投与した。
こむら返りの頻度と持続時間、痛みが低下した。
(カルニチン投与がこむら返りに与える影響, 中部日本整形外科災害外科学会雑誌 61(1), 177-178, 2018)<…