PL顆粒は食後?食前?どちらがいいか?

【質問】新型コロナや風邪症状で
PL顆粒(ピーエイ配合錠) 1日3回 毎食後
漢方(症状に合わせて麦門冬湯など) 1日3回 毎食前

という処方がみられると思います。漢方薬は空腹時が効果的ということで食前(食間)の用法となっています。今回、処方箋がともに食前と記載されており、疑義照会でPL顆粒が食後に訂正されました。添付文書では経口投与となっており、食事に関する記載はないので食前でも問題ないように感じました。また、風邪症状で病院にかかられ、処方箋を持参される時間帯は、中途半端な時間帯です。その場合、総合感冒薬と漢方薬を同時にして貰った方が患者も分かりやすく、負担が少ないと思います。同時服用することに何か問題はあるのでしょうか?調子が悪い時に食前、食後と飲んでもらうのも大変だと思います。(食欲がないこともあると思います)

【回答】PL顆粒 (ピーエイ配合錠)に含まれているサリチルアミドやアセトアミノフェンは、アスピリンに比べ胃腸障害が少ないとされています。そのため、PL顆粒 (ピーエイ配合錠)を食前に服薬することも可能と考えられ、漢方と同時に食前に服薬することが可能といえます。一方で、漢方は基本的には添付文書上の用法は漢方薬の種類に問わず、食前に設定されています。そのため、食前での服薬が望ましいとされることが一般的です。しかし、食前と食後投与でAUCが変わらない漢方成分も存在するため、服薬状況などを考慮し、食後服薬も可能だと考えられます。(漢方薬は「食前」と「食後」で効果や副作用に違いがあるか? https://closedi.jp/4030/)

調子が悪いときに食前、食後に2回に分けて服薬するのは煩雑であるため、できる限り患者さんの理解度やライフスタイルに合わせた服用指示を提供することが重要です。処方箋の調整や変更を行う場合は、医師との連携を行い、情報提供を行う必要があります。

結論としては、同時服用に明確な問題があるわけではないと思われますが、患者さんの状況と処方内容に応じて、個別に最適な服用指示を提供する必要があると考えられます。

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