【Q】サリグレンは体重減少の副作用があるか?

【A】サリグレンカプセル30mgの臨床試験において体重減少の副作用発現はなかった。しかし体重減少に関係があると考えられる副作用として「食欲不振2%、消化不良0.7%」が報告されている(サリグレンカプセル30mg インタビューフォームより)。サリグレンカプセル30mgの副作用として体重減少の可能性があると考えられる。

サリグレンカプセル30mgの作用機序は「唾液腺のムスカリン受容体に高い親和性を示し(in vitro)、ムスカリン受容体を介して速やかな唾液分泌促進作用」である。

薬剤による体重減少の理由として以下の文献が参考となる。

高齢者における薬剤による体重減少の理由として「味覚・嗅覚障害」、「食欲不振」、「口渇」、「嚥下障害」、「悪心・嘔吐」が挙げられる。中でも。味覚嗅覚障害による副作用として抗コリン薬が挙げられている。サリグレンの作用機序はコリン作動薬として分類されているため、作用機序からは説明がつかない副作用だとは考えられる。

薬剤による体重減少

味覚・嗅覚障害
アロプリノール、ACE阻害薬、抗生物質、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、カルシウムチャネル遮断薬、レボドパ、プロプラノロール、セレギリン、スピロノラクトン

食欲不振
アマンタジン、抗生物質、抗けいれん薬、抗精神薬、ベンゾジアゼピン、ジゴキシン、レボドパ、メトホルミン、神経遮断薬、SSRI、テオフィリン

口渇
抗コリン薬、抗ヒスタミン薬、クロニジン、ループ利尿薬

嚥下障害
ビスホスホネート、ドキシサイクリン、金、鉄、NSAIDS、カリウム

悪心、嘔吐
アマンタジン、抗生物質、ビスホスホネート、ジゴキシン、ドーパミン作動薬、メトホルミン、SSRI、スタチン、三環系抗うつ薬

(Am Fam Physician. 2014 ;89(9):718-722)

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