【質問】腹痛に対してアセトアミノフェンの内服が処方されるケースがあるが、どれほど効果が期待できるのか?
【回答】急性腹症診療ガイドライン 2015において「痛みの強さに関わらずアセトアミノフェン1,000mg静脈投与」が推奨されています。(急性腹症診療ガイドライン 2015 急性腹症の初期治療)
静注と比較すると効果発現時間は短くなりますが、経口のアセトアミノフェンも同様に腹痛に対して効果があると考えられます。
「どれほど効果があるのか」については、腹痛の原因によって異なります。腹痛の原因は以下に挙げるとおり、様々で緊急を要する疾患から、短期間で症状が改善する疾患まで様々です。
腹痛の原因となりえる疾患
- 大腸穿孔
- イレウス
- 虫垂炎
- 精索捻転
- 急性心筋梗塞
- 子宮外妊娠
- 急性大動脈乖離
- 腹部大動脈瘤破裂
- 重症急性膵炎
腹痛の原因は一般に非特異的で、2週間以内に症状が消失し、診断がつかないことも稀ではありません。そのため、一般外来診療では腹痛にアセトアミノフェン経口薬が処方されるケースがあると考えられます。NSAIDsは、消化性潰瘍のリスクがあるため、リスクが少ないアセトアミノフェンを選択していると考えられます。
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