【Q】低マグネシウム血症の治療方法は?

【A】軽度の場合はマグミット錠などの経口マグネシウム製剤を使用し、重度の場合は、硫酸マグネシウムなどを点滴持続静注することが望ましいと考えられます。詳細を以下に記載します。

低マグネシウム血症の概要
血中マグネシウム濃度が基準範囲(1.8-2.4mg/dL)を下回った場合に低マグネシウム血症と診断する。特異的所見はなく、食欲不振や筋力低下、テタニー、低カリウム血症などがみられる。また、副甲状腺ホルモンの分泌低下と作用不全により、低カルシウム血症を生じる場合がある。低マグネシウム血症の原因として、摂取不足、腸管吸収障害、腎排泄亢進が挙げられる。
(引用文献 今日の治療指針2019年版)

 

低マグネシウム血症の治療
①軽度 (血清マグネシウム濃度≧1mg/dL) もしくは無症候性の場合
・経口マグネシウム製剤    酸化マグネシウム 1回500-1000mg 1日3回
※下痢で内服できない場合はマグネシウム製剤の静脈注射を考慮

②高度(血清マグネシウム濃度 < 1mg/dL)あるいはテタニー、不整脈痙攣など症候性の場合
【症候性で血行動態が不安定な場合】
・硫酸マグネシウム2gを2-15分かけて静注。その後、同量を8-24時間かけて点滴持続静注。

【血行動態は安定しているが症候性の場合】
硫酸マグネシウム2gを5-60分かけて静注。その後、同量を8-24時間かけて点滴持続静注。

【緊急性がない場合】
硫酸マグネシウム2gを8-24時間かけて点滴持続静注。

(参考文献 今日の治療指針2019年版
引用文献 多田将士ほか, レジデントノート 17 (3) : 564-573, 2015_)

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】低マグネシウム血症の治療方法は?

【A】軽度の場合はマグミット錠などの経口マグネシウム製剤を使用し、重度の場合は、硫酸マグネシウムなどを点滴持続静注することが望ましいと考えられます。詳細を以下に記載します。 低マグネシウム血症の概要 ...

【Q】マグネシウムとチラーヂンの併用に関する回避時間は?

【質問】マグネシウム製剤の日本の添付文書には併用に関する記載は、両製剤とも記載なし。薬の相互作用としくみ や ストックリーの医薬品相互作用にも記載なし。 米国添付文書には、[Magnesium Salts: May decre...

新着記事

「用時懸濁」指示時における粉末服用の可否は?

【質問】ドライシロップについて。用法に用時懸濁とだけ記載ある場合は、粉のまま服用できる患者だとしても必ず水に溶かしてから服用する必要があるのでしょうか。 テオフィリンDSのように顆粒のままでも服用でき...

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

新着記事をもっと見る