【質問】軟膏の配合変化について質問です。ハンドブックに載っていない組み合わせのとき、みなさんはどのように考えていますか?軟膏、クリーム、o/w、w/oなどいろいろなワードを習いましたが、結局配合しても問題ないと実験されているものもあれば、予想に反して混合できないこともあります。また、アンフラベート軟膏のように添加物の影響で配合可否が変わることもあります。混合を実施するか、疑義で重ね塗りもしくは別剤への変更を依頼するか、この線引きがわからず困っています。
【A】軟膏の配合変化は「軟膏・クリーム配合変化ハンドブック」を参考にして、混合可否の判断をしていくことが最も効率的と考えられます。ただし、書籍に記載されていない軟膏も多くあるため、混合の可否の目安は「軟膏」、「クリーム」、「o/w」、「w/o」を考慮して判断することになります。
基剤による混合可否の目安
1. 油脂性基剤同士なら◯2. 水溶性基剤同士なら◯
3. 水中油型(O/W)クリーム+油脂性基剤=×
4. 水中油型(O/W)クリーム+油中水型(W/O)クリーム=×
5. ゲル基剤の混合はどの基剤とも×
6. 水中油型(O/W)クリーム同士、油中水型(W/O)クリーム同士などその他の組み合わせは都度確認が必要
例
『マイザー®︎軟膏(油脂性軟膏)』+『パスタロンソフト®︎軟膏(W/Oクリーム)』=2週間で分離
『マイザー®︎軟膏(油脂性軟膏)』+『レスタミン®︎コーワクリーム(O/W)』=2週間で含量が87%に低下
『ロコイド®︎軟膏(油脂性軟膏)』+『ベナパスタ®︎軟膏(O/W乳剤性)』=2週間で含量88%に低下
(軟膏・クリーム配合変化ハンドブック)
実臨床的には上記のとり、【『マイザー®︎軟膏(油脂性軟膏)』+『レスタミン®︎コーワクリーム(O/W)』=2週間で含量が87%】というように含有量が若干低下しても、それを許容している医師もおり、薬剤師が混合の実施や別剤への変更について判断することは難しいと考えられます。明らかな外観変化があった場合には注意が必要かと思いますが、混合後の保存日数などを考慮しながら(医師が7日分で使い切る予定として処方した軟膏であれば、含有量低下のリスクは少ないなど。)、総合的な判断が必要と考えられます。
患者が使用中に分離などが生じれば、使用を控えるように説明することなども必要と考えられます。