【Q】未使用期間があった場合のレスピマット製剤(スピリーバ・スピオルト)の再プライミング日数の設定根拠は?

【質問】スピリーバやスピオルトのレスピマットの期間空いた際の噴霧について。7日以上使用しなかった際は1噴霧、21日以上の時は霧が見えるまでと指導箋に記載あり。7日以上や21日以上の設定根拠はどのように決められているか。

【A】明確な設定根拠は公開されていない。製造販売元の試験結果に基づき、各間隔日数に応じた再プライミングが必要となっている。製造販売元の試験に関する内容はスピリーバ レスピマットの審査報告書に記載されているが、試験内容の詳細は記載されていない。

スピリーバ レスピマットやスピオルト レスピマットの説明書には
【7日を超える期間後には1回の再プライミング、21日を超える未使用期間後には噴霧が目視できるまで噴霧後、さらに3回噴霧してから吸入すること】と記載されている。

審査報告書に記載されている内容によると、レスピマットの試験の一つに再プライミングが検討されている。その検討結果に基づいて、7日や21日の期間が設定されている。

噴霧時には一定量の吸入液がデバイスにより計量、圧縮され、ノズルの噴霧口から噴射される。その後、霧状のエアロゾルを形成する。製剤の性質として、投与量の精度、粒度分布、カートリッジ内の吸入液量の変化に伴う送達量と粒度分布、経時的な送達量と微粒子投与量の変化、ロット間の一貫性、プライミングおよび再プライミング、保存温度サイクリング試験、クリーニングの影響が検討された。

再プライミングの検討結果に基づき、本剤は7日を超える期間後には1回の再プライミング、21日を超える未使用期間後には噴霧が目視できるまで噴霧後、さらに3回噴霧してから吸入することが推奨されている。
(スピリーバ レスピマット 審査報告書)

 

レスピマット使用説明書
カートリッジを挿入して3ヵ月以上経過した場合は、 薬剤が残っていたとしても使用しないでください。吸入用器具レスピマットを7日間以上使用しなかった場合は、下に向けて1回噴霧した後に使用してくださ い。また、21日間以上使用しなかった場合は、ミスト(霧)が見えるまで吸入前に必要な準備を行った後、さらにミスト(霧)が見えてから 5 ~ 7 の 操作を3回繰り返した後に使用してください。

5〜7は以下の通り

5. キャップを閉じた状 態で上向きにし、透明ケースをカチッと 音がするまで右に180度回転させます
6. キャップを完全に開けます。
7. 下に向け噴霧ボタンを押し、吸入準備をします。

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