【Q】漢方は食前投与がいいのか?

【A】食前投与がいいという科学的根拠は根拠はない。
附子や麻黄を含む漢方は食前服用がいいが、それ以外は食後投与でも問題ないと考えられる。コンプラインスを考え、食後投与も可能であるといえる。
以下、文献などをまとめた。
一般的には
・食前投与のほうが食後投与よりも吸収がよくなる
・西洋薬との相互作用を避けることができる
・満腹になって食後に飲むよりは食前の方が飲みやすい。
と考えられており、添付文書などにも食前投与となっているが、以下の理由から食後投与も可能であると言える。
・作用の激しい附子や麻黄を含む漢方は空腹時服用の方が吸収が遅く安全である。
・空腹時は胃内のPHが引くためにアルカロイドにアミノ基がイオン化する。
・イオン化することで水溶性が増し、細胞膜を通りにくくなり、吸収が低下する。
・麻黄や附子以外では多少服薬時間が違おうと薬効に大きな差がでない。しかし、漢方薬の成分を下部消化管に早く到達させ、薬効を出すには空腹時のほうがよいと思われる。
・コンプラインスは食後投与の方が高い。
【参考】新薬と臨床 J.New Rem. &Clin Vol.56 No.12 2007

会員登録をしていただくと全文お読みいただけます。

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

PL顆粒は食後?食前?どちらがいいか?

【質問】新型コロナや風邪症状で PL顆粒(ピーエイ配合錠) 1日3回 毎食後 漢方(症状に合わせて麦門冬湯など) 1日3回 毎食前 という処方がみられると思います。漢方薬は空腹時が効果的ということで食前...

【Q】注腸・坐剤として使用される漢方薬は?

【質問】小児における「五苓散注腸」という手法を拝見しました。そこで気になったのですが、五苓散以外の漢方薬や内服薬についても、経口投与困難な時に注腸されるケースはあるのでしょうか? 【A】漢方の注腸に...

【Q】漢方薬で注意すべき食物アレルギーは?

【A】特定原材料や特定原材料に準ずるものに指定されている食物が含有された漢方薬は特に注意が必要です。 具体例を挙げると、山芋アレルギーは山薬が含有されている「八味地黄丸」「牛車腎気丸」「六味丸」、小...

【Q】ナウゼリン錠は食後投与でも効果が低下しないか?

【A】ナウゼリン錠の効果を最大化させるためには食前投与が望ましいと考えられます。 ナウゼリン錠は食後に服薬すると吸収が遅延し、効果発現が遅くなります。一方で、絶食下ではTmax=15分と非常に早くなります...

新着記事

帯状疱疹のワクチンは神経痛が残っている場合でも打ってもいいか?

【質問】帯状疱疹のワクチンを打つのに発疹ある急性期はダメなのは分かるのですが、神経痛が残っている場合でも打たない方が良いのでしょうか? タイミングが分からなくて困ってます 【A】帯状疱疹の発疹が治まっ...

フェンタニル貼付剤を半割した際に、剥離予防のためテガダーム等で覆うことを避ける理由は?

【質問】フェンタニル貼付剤の半量使用の方法について教えてください。 採用都合で急遽フェンタニル貼付剤の半量投与が必要になり色々検索をしました。 ① 先にドレッシング剤を貼る ② フェンタニル貼付剤本体を外...

がん化学療法施行時の検査の提案について

【質問】がん化学療法施行時の検査状況について教えてください。 分子標的治療薬で蛋白尿の副作用が報告されている薬剤を投与するとき、これまでの施設では投与前には毎回尿検査を実施していましたが、転職した施...

新着記事をもっと見る