【A】カロナールは胃腸障害のリスクを増加させることはなく、空腹時投与も可能と考えられます。空腹時投与のほうが食後投与に比べて効果発現が早いため、早急に効果を期待する場合にも空腹時投与が望ましいとされます。以下の報告を参考にしてください。
アセトアミノフェンは炭水化物とケーキや飴などの炭水化物と服用すると吸収が低下することがあります。
(あゆみ製薬株式会社 カロナール錠 インタビューフォーム)
パラセタモール(英国でアセトアミノフェン製剤)はNSAIDの同時投与がない場合、用量に関わらず、上部消化管出血のリスクが増加しなかったと報告されています。
(Br J Clin Pharmacol. 2002 Sep; 54(3): 320–326.)
【上部消化管出血とNSAIDsとのリスク- オッズ比】
アセトアミノフェン(コカール、カロナール) 1.2
ジクロフェナク(ボルタレン) 4.9
イブプロフェン(ブルフェン) 1.7
インドメタシン6.0
ケトプロフェン34.9
ナプロキセン(ナイキサン) 9.1
ピロキシカム13.1〔ケトプロフェン > ピロキシカム > ナプロキセン > インドメタシン > ジクロフェナク > イブプロフェン >>> アセトアミノフェン〕
(Br J Clin Pharmacol. 2002 Sep; 54(3): 320–326.)
→『カロナール』はオッズ比が1.2と低く、上部消化管出血のリスクを上昇させないと報告されています。また、「ジクロフェナク」、「イブプロフェン」、「インドメタシン」、「ナプロキセン」、「ピロキシカム」は用量が増加するにつれて、消化器症状のリスクが上昇しています。一方で、『カロナール』は用量が増量に関わらず上部消化管出血のリスクを上昇させないと報告されています。用量依存で上部消化管出血のリスクが上昇しないということは、『カロナール』の上部消化管出血のリスクは非常に低いと考えられます。