【Q】クロピドグレルの胃腸障害にH2遮断薬は有効か?ガスターなど

【A】以下の報告から、クロピドグレルの胃腸障害にH2遮断薬が有効である可能性が低く、PPIの投与が望ましいと考えられる。臨床現場での判断となる。
 

クロピドグレルの単独投与で上部消化管出血のリスクは増加する。H2ブロッカーの併用投与では上部消化管出血のリスクは減少しないが、PPIの併用投与により減少すると報告がある。
UEffect of antisecretory drugs and nitrates on the risk of ulcer bleeding associated with nonsteroidal anti-inflammatory drugs, antiplatelet agents, and anticoagulants. Am J Gastroenterol 2007;102: 507-15.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17338735

 

低用量アスピリンが投与された日本人患者に対してはPPI投与によって胃十二指腸潰瘍およびびらんの両方のリスクが低かった (オッズ比1.83 (1.18 – 2.88 p = 0.00082)) 。しかし、H2ブロッカーを投与された患者は、びらんのリスクは低下したが、胃十二指腸潰瘍リスクは低下しなかったと報告がある。(MAGIC STUDY)
Risk factor profiles, drug usage, and prevalence of aspirin-associated gastroduodenal injuries among high-risk cardiovascular Japanese patients: the results from the MAGIC study. J Gastroenterol. 2014 May;49(5):814-24
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23754512

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