【質問】セレコックスとロキソニンの併用について質問です。 「NSAIDsの重複は疑義」と同僚に言われたのですが、オキシコンチンとオキノームのように「定期薬(効果のベース)」と「頓服(レスキュー)」といった形で有用なのではないかと個人的には思いました。同効薬の重複について、疑義照会はどこまで必要なのでしょうか? また、効果増強と副作用リスクの天秤は、どのような資料を参考にすべきですか?
【A】NSAIDsの2剤以上の併用は副作用が増加し、効果の増強は望めないことが明らかになっています。そのため、同タイミングの服薬であれば、NSAIDsの併用に関しては避けるべきと考えられます。
しかし、NSAIDsの定期服薬中で、効果が切れるタイミングでの別のNSAIDs頓服服薬は可能と考えられます。これは効果の増強ではなく、副作用のリスクを許容した上で、効果の低下を補う目的での頓服ということになります。
以上より、NSAIDsの重複投与は基本的には疑義照会が必要ですが、【「定期薬(効果のベース)」と「頓服(レスキュー)」】の服薬方法であれば、可能とは考えられます。
以下に、NSAIDsの併用に関する情報を記載します。
関節リウマチの患者において、内視鏡的消化性潰瘍はそれぞれ
・NSAIDs長期服用患者‥19.5%
・NSAIDsとアスピリン併用患者‥18.2%
・NSAIDsの併用患者‥ 45.5%
の割合で発生していた。
(日本内科学雑誌, Vol100 (10) , 2888-2901)
→NSAIDsを併用すると消化器障害の副作用が増加すると考えられます。
・NSAIDsの2剤以上の併用は副作用の頻度のみが増加し、効果の増強は望めないことが明らかになっているので行わない。
・NSAIDs同士の併用では効果は増さず,消化管障害などの副作用が増すので避けるべきである.
(NSAIDs の選び方・使い方ハンドブック)
→NSAIDsの併用による効果の増強は期待できず、副作用の頻度が上昇することが明記されています。
その他、NSAIDsの副作用としては、消化管障害(医療障害)、腎障害、腎血流量の低下、糸球体濾過率の低下、喘息の悪化、肝障害などがあげられる。
NSAIDsの併用が禁忌となっている例もあります。
NSAIDsであるジフルニサル (現在、日本では販売中止) はインドメタシンの抗血小板効果を高めることで、胃腸出血のリスクが上昇するため両者は併用禁忌とされています。