レボチロキシン錠 (チラーヂン)は食後投与よりも食前投与のほうが効果が高いか?

【質問】チラーヂンは、食前の方が吸収がよいのですか?

【A】レボチロキシンは、一部の金属(アルミニウムや鉄など)や特定の飲食物 (コーヒー、食物繊維、グレープフルーツ、パパイヤ、大豆製品など)と同時に摂取することにより、その吸収率が低下する可能性がある成分です。レボチロキシンの通常用量が25μg-400μgと微量であることからも、わずかな吸収低下であっても、その薬効に大きな影響を及ぼす可能性があります。

以上から、吸収低下のリスクを少しでも下げるために、レボチロキシンは食後の服用を避ける方が望ましいと考えられます。

【解説】レボチロキシンはアルミニウム(AI)、鉄(Fe)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、ランタン(La)を含む医薬品や健康食品と同時に摂取すると、レボチロキシンの効果が低下する可能性があります。この理由は、レボチロキシンが構造式上でカルボキシル基、アミノ基、フェノール性水酸基を持ち、金属とキレートを形成しやすいためです。消化管内で金属キレートの形成や吸着によって、レボチロキシンの吸収が阻害されます。

また、レボチロキシンの用量が25μg-400μgと微量であることから、影響を大きく受ける可能性があります。健康食品や総合ビタミン剤の使用にも注意が必要です。

食事はレボチロキシンの生物学的利用…

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