【Q】PPIによる下痢の副作用は?機序は?

【A】PPI (プロトンポンプ阻害薬) による下痢の副作用は膠原性大腸炎(collagenous colitis) やクロストリジウム・ディフィシル感染症が原因と考えられます。膠原性大腸炎が起こる理由としては大腸上皮細胞のプロトンポンプを阻害し、大腸粘膜分泌物の成分が変化することが一因とされています。また、クロストリジウム・ディフィシル感染症が起こる理由としてはPPI服薬により、胃内のpHが上昇することで、胃酸によって死滅する病原菌が腸管まで到達してしまうことにより腸内細菌叢が乱れることが一因と考えられています。PPIを中止することで下痢が改善された症例も多数報告されています。

・膠原性大腸炎(collagenous colitis) ‥慢性水溶性下痢の原因であり、大腸内視鏡所見がほぼ正常で病理学的に特徴的な炎症所見を呈する疾患。大腸生検にて粘膜上皮直下に10μm以上のcollagen bandの形成と炎症細胞湿潤を認める。CCの要因については解明されていない。原因薬としてはNSAIDsやPPIやSSRIなどが考えられる。
・PPIが膠原性大腸炎(collagenous colitis) を発症させる機序は大腸上皮細胞のプロトンポンプを阻害することによって大腸粘膜分泌の組成やpHが変化し、粘膜局所の免疫反応が誘導補強され、炎症や組織修復性の膠原線維が…

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