【A】パキシル CR 錠25mg に対してパキシル錠20mgの換算(パキシルCR錠 : パキシル錠=5 : 4)になると考えられます。
これは、国内第I相臨床試験における「パキシルCR錠 25mg及びパキシル錠(速放錠)20mgで動態を比較した結果」と「両剤型の反復投与時と単回投与時の定常状態の結果」により、この換算になると考えられます。製剤学的な特性として、パキシル CR錠は腸溶性フィルムコーティングで2層の放出制御技術により、徐々に薬物が放出されるため、パキシル錠と比較して、投与初期の消化器症状発現を軽減することができます。
以下にこれらの根拠となる情報を記載します。
<国内第I相臨床試験:PCR112812 試験>においてパキシルCR錠25mg及びパキシル錠(速放錠)20mgをそれぞれ 1日1回14日間反復経口投与し、各製剤の反復投与後における血漿中パロキセチンの薬物動態を比較しています。
【薬物動態から推定されるパキシル CR 錠とパキシル錠(速放錠)の用量関係】 治療用量では反復投与時の定常状態の曝露量を、治療用量以下の初期用量では単回投与時の曝露量をもと にパキシルCR錠12.5mg、25mg、37.5mg、50mg は、それぞれパキシル錠(速放錠)10mg、20mg、30mg、40mg と曝露量が類似すると考えられた。
パキシルCR錠12.5mg =パキシル錠(速放錠)10mg
パキシルCR錠25mg=パキシル錠(速放錠)20mg
パキシルCR錠37.5mg=パキシル錠(速放錠)30mg
パキシルCR錠50mg=パキシル錠(速放錠)40mg
(パキシルCR錠 インタビューフォーム )
製剤学的な特性
パキシル CR 錠は、腸溶性フィルムコーティングを用いて消化管内での薬物放出部位を限定し、さらに2層の放出制御技術を用いて、胃を通過後も薬物がゆるやかに溶出するように設計されており、投与初期の消化器症状発現を軽減することが期待されている。また速放性製剤と比べ、血中濃度の立ち上がりがゆるやか であり、反復投与時の血中濃度の変動が小さくなることで全般的忍容性の向上が期待でき、治療継続に寄与すると考えられる。