【Q】ノルスパンテープから他のオピオイド製剤に切り替える際の投与量は?

【A】ノルスパンテープ5mgの放出速度は5μg/hr(ノルスパンテープIFより)と推定されています。Buprenorphine経皮パッチは経口モルヒネとして30-80mg/day服用している患者は初期値として10μg/hrの剤形を7日に1回貼付する。また、経口モルヒネとして80mg/day以上服用している場合はBuprenorphine経皮パッチは最大投与量20μg/hrでも十分な鎮痛作用を示さない可能性があり、他の鎮痛薬の使用を検討する必要がある。

 

・ノルスパン 5mg = 経口モルヒネ (24時間持続) 9-13mg = 経口オキシコドン (24時間持続) 5-10mg

・ノルスパン 10mg = 経口モルヒネ (24時間持続) 18-26mg = 経口オキシコドン (24時間持続) 10-20mg

・ノルスパン 20mg = 経口モルヒネ (24時間持続) 36-53mg = 経口オキシコドン (24時間持続) 25-40mg

(Opioid Conversion Guidelines 2015)

以上の情報から、ノルスパンテープから他のオピオイド製剤に切り替える際の投与量の目安を換算する必要があります。

※交差耐性がなく痛みのない状況で変更する場合は、換算後に効果が強く出ることがあるため、換算比から算出された用量よりも少ない用量(20%〜30%減)も考慮することが必要です。代謝や排泄機能が低下している高齢者にはさらに減量が必要です。

※交差耐性とは類似の構造や作用がる他の薬物に対しても抵抗を示すようになることです。

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