【Q】ニフェジピン製剤の簡易懸濁法の可否は?

【質問】ニフェジピン製剤の簡易懸濁法による経管投与について。現在、セパミット-R細粒2%が出荷停止となっており、ニフェジピン製剤の経管投与で困っている施設も多いかと思います。その中で、ニフェジピンカプセル「サワイ」のみ、書籍(内服薬 経管投与ハンドブック 第4版)に適1として投与可能と判断できる記載があります。先発品も含めて他社製品は体内動態データがない事を理由に“不可”となっています。沢井製薬に問い合わせると、「体内動態データはない」と返答がありました。当院では、他の採用Ca拮抗薬に代替処方提案を行っていますが、皆様はどうされていますか?

【A】簡易懸濁法が可能なニフェジピン製剤の候補として以下が考えられます。

  • ニフェジピンL錠、ニフェジピンCR錠、アダラートCR錠‥徐放構造が崩壊する可能性があり、経管投与は不可とされています。
  • アダラートL錠‥販売中止
  • アダラートカプセル‥有効成分は不安定で、内容物を取り出しての投与は過度の降圧や反射性頻脈をきたることがあるので不可
  • セパミット-R細粒2%‥出荷停止

 

  • ニフェジピンカプセル5mg、10mg「サワイ」‥水 (約55℃)で懸濁して10分後、8Fr以上で通過するが残渣はあり
  • ニフェジピン細粒1%「ツルハラ」‥8Frで通過
  • ニフェジピン錠10mg「ツルハラ」‥水 (約55℃)で懸濁して10分、8Frで通過
  • セパミット-Rカプセル20‥水 (約55℃)で懸濁して15分で8Frで通過
  • アムロジピンやベニジピン、アゼルニジピンなどの別のCa拮抗薬に変更することも検討する。だたし、切り替え後に血圧値をモニタリングが望ましい。

以上から、経管投与はニフェジピンと同じジヒドロピリジン系でかつサブタイプがL型であること、加えて口腔内崩壊錠の剤型があるアムロジピンが1日1回で最も適切ではないかと思います。
(参考 内服薬 経管投与ハンドブック 第4版)

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