【Q】ガン疼痛におけるアセリオ点滴静注製剤の使用方法は?

【A】経口摂取困難なガン疼痛患者において、1日総量4000mgを限度として、アセリオ点滴静注製剤単体、もしくは他のオピオイド鎮痛薬と併用で使用可能と考えられる。
以下、参考とした。
アセトアミノフェンはガン患者の痛みに対してプラセボに比較し鎮痛効果が得られる。
(NSAIDS or paracetamol, alone or combined with opioids, for cancer pain.Cochrane Database Syst Rev. 2005 Jan 25;(1))
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15654708
強オピオイドを使用しているがん患者30例を対象に、アセトアミノフェン5000mg/日とプラセボの併用を比較したところ、アセトアミノフェン群が痛みをより改善した。
(Acetaminophen (paracetamol) improves pain and well-being in people with advanced cancer already receiving a strong opioid regimen: a randomized, double-blind, placebo-controlled cross-over trial. J Clin Oncol. 2004 Aug 15;22(16):3389-94. )
http://ascopubs.org/doi/full/10.1200/JCO.2004.09.122
 

下記のとおり本剤を15分かけて静脈内投与すること.
<成人における疼痛>
通常,成人にはアセトアミノフェンとして,1回300~1000mgを15分かけて静脈内投与し,投与間隔は4~6時間以上とする.なお,年齢,症状により適宜増減するが,1日総量として4000mgを限度とする.
ただし,体重50kg未満の成人にはアセトアミノフェンとして,体重1kgあたり1回15mgを上限として静脈内投与し,投与間隔は4~6時間以上とする.1日総量として60mg/kgを限度とする
(アセリオ静注液1000mg/**アセリオ静注液1000mgバッグ 添付文書より抜粋2016年改訂版
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/470034_1141400A1024_1_11.pdf

 

アセリオ点滴静注製剤が適した患者
1. 腎機能障害がある患者
プロスタグランジン(PG)合成阻害作用があるNSAIDsはCKDの患者にはできるだけ使用しないことが推奨される。
末梢のPG合成にはほとんど作用しない。
2. 消化性潰瘍がある患者
胃粘膜障害の発生頻度は極めて少ない。
上部消化管出血のオッズ比は、アセトアミノフェンは1.1〜1.5、ジクロフェナクは3.3〜7.1

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】処方箋に記載できる注射薬は?アセリオやセレネースは?

【質問】アセリオやセレネースは在宅において調剤薬局から払い出す(調剤する)ことは可能なのでしょうか?厚労省が定めた使用できる注射薬の分類には当てはまらないと思うのですが… 【A】アセリオ静注液1000mgやセ...

【Q】小児に使用できるNSAIDsは?

【A】小児における解熱鎮痛剤の第一選択は「アセトアミノフェン」と考えられますが、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)で小児に推奨されるのは「イブプロフェン」である。海外でも「イブプロフェン」は子供の中で...

新着記事

「用時懸濁」指示時における粉末服用の可否は?

【質問】ドライシロップについて。用法に用時懸濁とだけ記載ある場合は、粉のまま服用できる患者だとしても必ず水に溶かしてから服用する必要があるのでしょうか。 テオフィリンDSのように顆粒のままでも服用でき...

亜鉛製剤による銅欠乏リスク:血清亜鉛値が正常でも銅の定期測定は必要か?

【質問】貧血傾向がある方で、ポラプレジンクや酢酸亜鉛などの亜鉛補充の薬を長期的に内服していた場合の銅欠乏の副作用についてどのようにフォローすべきなのかご教示ください。 採血で亜鉛の項目を確認すること...

欠食はSERMの血栓症、活性型VD3の高Ca血症リスクを高めるか?

【質問】欠食は、SERMと活性型VD3製剤の副作用リスク因子となるか。 SERMの静脈血栓症、活性型VD3製剤の高カルシウムの副作用について。 1食抜くと400mlの水分不足となると言われていますが、摂取水分の減少の面...

新着記事をもっと見る