【Q】タシグナ内服中の患者で腎不全によるK値の増加がみられた。カリメート等の薬剤とタシグナの相互作用はあるか?

【A】タシグナとカリメートの相互作用に関するデータは国内、海外共に存在しませんが、カリメートの吸着作用を考慮すると服用タイミングをずらして内服することが望ましいと考えられます。以下を参考としてください。

 

pH6.8の条件下で「陽イオン性薬物」および「疎水性の高い非イオン性薬物」がポリスチレンスルホン酸(カリメート) に吸着されやすいと報告があります。
(医療薬学, 40(1) 47-53 (2014))

タシグナはカリメートの吸着されやすい物質か?

・メタノール又はエタノール(95)にやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
・分配係数 0.08(log D=-1.1)(1-オクタノール/0.1mol/L塩酸)
・酸塩基解離定数 pKa1=2.1、pKa2=約5.4
(タシグナカプセル インタビィーフォームより)

→タシグナはpH6.8下では、酸塩基解離定数pKa2=約5.4であるため、解離していない状態つまり非イオン性であると考えられます。また、水に極めて溶けにくいため疎水性であると考えられます。タシグナは疎水性で非イオン性薬物であるため、カリメートに吸着されやすい物質である可能性があります。そのため、タシグナとカリメートとの服用タイミングをずらして内服することが望ましいと考えられます。

 

 

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