【質問】副鼻腔炎の原因は細菌だけなのでしょうか?ウイルスの関与はないのですか?また、バイオアベイラビリティの小さい第3世代セフェム系が処方されていることもありますが、意味はあるのでしょうか?(肺炎などのときにも思います) 内服抗菌薬の場合、臓器移行性だけでなく生体内利用率も重要になると思うのですが、比較のためのツールはありますか?また、上記情報はすべてインタビューフォームには載っていると思っていいのでしょうか
【A】
急性副鼻腔炎はウイルス性が15〜18%を占めています。
細菌性の急性副鼻腔炎であれば、第1選択【成人 AMPC/CVA 1000/62.5mg 錠 2錠 1日2回 5〜7日間】、第2選択【CPDX-PR 200mg 1日2回】などが推奨されてます。(サンフォード感染症治療ガイド)
慢性副鼻腔炎は「多くの要因による上気道の炎症」とされており、ウイルス性や細菌性の両方、もしくはそれ以外の要因が考えられます。 (サンフォード感染症治療ガイド)
そのため、慢性副鼻腔炎に対して経験則などに基づいて第3世代セフェム系が処方されるケースが考えられます。
第三世代セフェム系は「フロモックス (セフカペンピボキシル)」や「メイアクト(セフジトレンピボキシル)」、「セフゾン(セフジニル)」 が挙げられますが、「メイアクト」と「セフゾン」のバイオアベイラビリティはそれぞれ16%、25%と非常に低く、海外ではほとんど使用されていません。「フロモックス」はサンフォードに記載されていません。バイオアベイラビリティーが低いと、感染病巣に十分量の抗菌薬が到達しにくくなる可能性があります。
臓器移行性やバイオアベイラビリティーについては、該当薬剤のインタビューフォームに記載されていることもありますが、「該当資料なし」と記載されている薬剤もあります。
生体内利用率の比較が一覧で確認できるツールは、米国などで発売されてる抗菌薬であれば、サンフォード感染症治療ガイドで確認することができます。