【Q】ヘリコバクター・ピロリの二次除菌に失敗した場合の対応は?三次除菌は?

保険適応外ですが、いくつかの三次除菌の方法が報告されています。。
三次除菌は「PPI+アモキシシリン1500mg+シタフロキサシン200mg」となります。 (J Gastroenterol.48 : 1128-1135, 2013)。シタフロキサシンの代わりにレボフロキサシンを使用することもあるが、耐性化が懸念されています。
以下の報告もされています。

プロトンポンプ阻害薬、アモキシシリンまたはメトロニダゾール、シタフロキサシンの3剤併用療法

例)ラベプラゾール10mg 1回1錠 1日4回 + アモキシシリン250mg 1回2CP 1日4回 + シタフロキサシン50mg 1回2錠  1日2回 7日間または14日間
例)ラベプラゾール10mg 1回1錠 1日4回 + メトロニダゾール250mg 1回2錠 1日2回 + シタフロキサシン50mg 1回2錠  1日2回 7日間
参考)H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A
上記の (例) のラベプラゾール10mgを1回1錠 1日2回とする例もあります。ラベプラゾール10mgを1日2回投与するのか、1日4回投与するのかの判断は、患者のCYP2C19遺伝子多型が高速代謝型や中間代謝型 (1日4回)であるのか。低速代謝型(1日2回)であるのかが一つの目安となります。日本人のCYP2C19 代謝活性欠損者の頻度は約20%と多くなっており、考慮した投与回数とする必要があります。

また、ラベプラゾールをCYP2C19寄与度の低いネキシウム(エソメプラゾール)に変更することも可能です。

しかし、RCT論文によると、intention-to-treat(ITT)解析の除菌率はネキシウム(エソメプラゾール) 1回1錠1日2回の場合、ラベプラゾールと比較して大きく改善はされていませんでした。(同等もしくは低下)

参考)H. pylori感染の診断と治療のガイドライン2016改訂版Q&A

会員登録していただくとできること
記事を全文閲覧できます。 記事を全文閲覧できます。
記事の全文が検索できます 記事の全文が検索できます。
週1回メルマガが届きます 週1回メルマガが届きます
質問投稿することができます 質問投稿することができます

関連記事

【Q】サワシリン (アモキシシリン) を88歳男性、ICDの置換術後の創部感染に使いたいが、eGFR38程度である。投与量はどの程度に設定すれば良いか。

【A】eGFR 38の腎機能低下患者に対してのサワシリン(アモキシシリン)の投与量は1回250mg (8〜12時間毎) など腎機能正常患者より減量する必要があると考えられる。(サワシリン錠250を2Cp分2など) 資料によって投...

新着記事

小児でカロナールとPL顆粒を一緒に飲ませても大丈夫?ロキソニンとの併用は可能か?

【質問】 小児科でカロナール細粒、PL顆粒が1日3回ずつ処方されたとき、同時に併用することもあるのでしょうか?またロキソニンとカロナールは患者の痛みの度合いにより同時に1日3回ずつ服用することもあるのでし...

ロコアテープ使用患者への 経口NSAIDs(ロキソニン)併用は可能か?

【質問】 皮膚科で指の痛みで、ロキソニンが9回分処方されたとき、他病院で坐骨神経でロコアテープ、トアラセット配合、タリージェが処方されていた場合ロキソニンは、最小限で服用することはありますか? ビジュ...

セフゾンからメイアクトに切り替えるとき、朝にセフゾンを飲んでいたら昼からメイアクトを飲ませていいですか?

【質問】 小児科で風邪でセフゾンが1日3回で処方されるのですが、翌日に医師からセフゾンからメイアクト1日3回に切り替えるようにという指示があったようです。患者さんがセフゾンを朝に飲んだ場合は、そこから4...

新着記事をもっと見る

医薬品供給状況

【限定出荷】アマルエット配合錠1番「DSEP」、他3品目【限定出荷解除】グラニセトロン点滴静注バッグ3mg/50mL「NIG」、他6品目

2025年10月28日 供給状況の変更情報 【供給状況の変更】 限定出荷に移行:4品目 限定出荷解除に移行:7品目 【その他情報(理由・見込み)の更新】 限定出荷中の品目:4品目 ========================= 限定出荷 ...

過去の供給情報を見る

週間ランキング

ランキングをもっと見る