【Q】電気メス使用部位とは関係ない部位に金属を支持体とする貼付剤を使用したまま手術することは可能か?

【質問】手術で電気メスを使用する際は金属を支持体とする貼付剤(ニュープロパッチなど)は剥がした方が良いか。電気メス使用部位とは関係ない部位に貼付したまま手術を行う事は可能か。

【A】「金属を支持体とする貼付剤」は、電気メス使用部位とは関係ない部位に貼付したとしても、剥がすことが望ましいと考えられます。

「ニュープロパッチ」や「ニトロダームTTS」、「ニコチネルTTS」はアルミニウムを支持体とした貼付剤です。

https://closedi.jp/5761/

 

電気メスは、高周波の電流がコード内を流れ、ハンドルの先端メスで電流を集中させ、発熱させることで、皮膚や臓器などを切開・凝固することができます。

高周波の電流は体内を通って、分散し、対極板で回収されます。そのため、対極板は電気メスを使用する部分とは離れた部位に貼ります。対極板を貼る理由は、体内に余分な電流が残らないようにするためです。

電気メスは、高周波の電流が体内を通過するため、「金属を支持体とする貼付剤」の貼付部位に火傷を引き起こす可能性があります。たとえ、「金属を支持体とする貼付剤」が電気メスを使用する部位から離れていたとしても、対極板で電流を回収するまでの経路に、「金属を支持体とする貼付剤」があれば、火傷を引き起こす可能性があります。

以上から、電気メス使用部位とは関係ない部位であったとしても、「金属を支持体とする貼付剤」は剥がすことが望ましいと考えられます。

 

マーチン電気メス マキシウム
・患者体内の電流経路は最短距離にしてください。特に胸腔を横断させないよう注意してください。身に付けた金属類は、できる限り取り除くか絶縁し、端内に埋め込まれた金属物質は、電流経路から外れるようにしてください。(添付文書より)

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